駒込「分髙」(わけたか)#
駒込の「分髙」(わけたか)は、私が、仕事で20年来お世話になっている
駒込「寿司 髙はし」さんの分店です。
お昼の魚の御膳の提供と、越前蕎麦御膳の提供という
「寿司 髙はし」のクオリティーを壊さず
美味しい魚や蕎麦をリーズナブルに楽しんでいただこうを
テーマとした、お客様に優しい少し贅沢な定食屋さんです。
その仕事の内容をお見せいたします。
1:まずは打ち合わせ#
打ち合わせは、令和3年の10月くらいから始まりました。
当初は春の3月吉日にオープン予定と知らされ、まずは店名の決定から。
「分髙」(わけたか)と決定してから本格始動です。
オーナーに寄り添う姿勢がとても大事と考えています。
それでは第一の仕事で、要のロゴの作成になります。
行燈表示の和食系のお店ということで、女将さんのイメージをお聞きして
ロゴを相当数書いてみて、プレゼンしながらイメージに近づけます。
数点に絞り最終決定。
お持ちの行燈を使われるということなので、
行燈をカスタマイズして、行燈を刷新予定!
気に入っていて使えるものは使うということはとても大事なことですね。
イメージした行燈、ロゴはこのような形に!
2:行燈とロゴイメージの再確認#
実際に書いたものを行燈に入れイメージを確認します。
竹製で以前からご使用の行燈なので、
外で使用するにはすこし工夫が必要ですね。
和紙部分を耐水性のワーロン紙で加工し、
ロゴは屋外用のカッティングシートにする加工がベストかなと
考えました。
行燈本体は、耐水性のニス加工でコーティング。
すべて私の方で加工しました。まだ、落款もできていませんが、
その制作とデザインも考えます。
3:ロゴから落款のデザイン制作まで#
本店の「寿司 髙はし」でもそうですが、和食を主体とするお店には
落款がとても重要と考えます。
本店の髙はしの落款はとてもがっちりとしたイメージなのですが、
分髙は、女将さんがメインイメージのお店なので、
髙はしのイメージを踏襲しながらも、女性らしさを表現したいと思い、
まずは、内側に二本のラインを入れ、周りも滑らかな線にしました。
ロゴの文字は、「分」の末広がりの八と「髙」の鍋蓋は右肩上がりと、
枠にとらわれないということを表現してみました。
ここにも見えないストーリーを加えてみました。
4:ロゴ入り落款入り行燈の完成#
一連の加工、耐水性のワーロン紙にロゴのカッティングシート
屋外用を張り、落款を入れ、行燈に装着し、
屋外使用ということなので、行燈の上側を板でふさぎ、
完成になります。
ここで、ロゴ・落款・行燈の完成です。
5:犬やらいの造作依頼#
右の写真にもありますが、入り口横の窓が格子になっており、
その下に犬やらいを設置したい旨の依頼があり、
さまざまな見積もりを取ってみましたが、かなり高額となることと、
期間がかかるということで、希望もあり、私が作るということになりました。
自分で作るなら面白い提案をしたいと思い、犬やらいに行燈を組み込むこと、
犬やらいが照明の役割もすることを提案させていただきました。
お店がビルなので、屋根がないのと、行燈の置き場所がない。
通りが暗いので、あかりも欲しいという思いからです。
何よりも手こずったのは、道が下っていて、犬やらいが道と並行ではないこと。
あとは、作り上げた季節が梅雨時ということです。
ただでさえ、竹はカビやすいので、要注意です!
6:各種手書き看板製作#
担当の造作は終わったので、開店に向け、看板類の制作です。
もちろん直書きの看板で、一番の本業ですが
親しみのある感じでということで、
比較的自由に書かせていただきました。感謝です。
一緒に店づくりをしているようで、
とても楽しく作業させていただきました。
オープンまで時間があったので、いろいろな楽しい文句の看板も、
その都度書かせていただきました。
おかげで、まだ開店もしていないのに、
お客様に興味を持っていただけた感じでした。
実は親方の狙いだったかも?
7:駒込「分髙」開店しました!#
文字書き以外にも、いろいろなご依頼をいただきました。
名刺や飲み物メニュー、各種ドア表示などすべてはお見せ出来ませんが、
楽しく仕事させていただいています。
今でも、仕事は続いていて、事あるごとに相談をいただきながら、
共に考えながら、作業をさせていただいています。
クライアントに寄り添う、大切にしたい思いです。
そのことを教えられたお仕事でした。
美味しさは保証付きです。ぜひ、ご来店を!